Bé-A Journal

Bé-Aと私たち|Vol.7 販売員/マラソンランナー

100人いれば100通りの生理がある

「Bé-A〈ベア〉と私たち」

 
一人ひとりの体やライフスタイルが違うように、「生理」も人それぞれ。
「Bé-A〈ベア〉と私たち」では、社会で活躍する女性たちに、生理との向き合い方をインタビューします。
 
これまで見えなかった、自分以外の生理への理解が深まることは、互いに思いやる優しい社会への一歩につながるでしょう。
自分の生理と向き合うヒントにもなるはず。
 
100人いれば100通りの生理を知って、
誰もが自由や望みを失わず、思いやりをもって豊かに生きていくために。
 
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「Bé-A〈ベア〉と私たち」第7回目は、スポーツ用品店「アートスポーツ」本店で販売に携わる高島さんにBe-A Japan代表 髙橋がインタビュアーとなってお話を伺いました。高島さんは、お仕事の傍らマラソンランナーとして競技を続けています。

競技に集中したいのに
漏れへの不安に気を取られていた

髙橋:この度はインタビューをお受けくださりありがとうございます。
高島さんはずっとスポーツをされてきたということですが、これまでのご経歴を教えてください。
 
高島:高校、大学時代は陸上競技に打ち込んできました。メイン種目は走り高跳びでしたが、100m ハードル・砲丸投げ・走り高跳びなど七種の競技の総合得点を競う七種競技もしていました。

大学を途中で辞めて、20 歳の時に結婚・出産しました。産後数年で、元々アルバイトで勤めていたアートポーツに復帰しつつ陸上競技は細々と続けていたものの、仕事・育児・競技の両立というのがとても難しかったため、子育て中はスポーツをお休みすることにしました。子どもが成長し、「さぁそろそろスポーツを!」と思った時には陸上競技を続けるには環境的にも難しかったので、職場も職場でしたし、手軽に始められるランニングからスタートしました。最近は仲間と登山やトレイルランニングにも挑戦しています。
 
髙橋:出産後にご就職されて、仕事と育児の両立だけでも大変なのに、ランニングもとなると、時間的にも体力的にも難しいですよね。
スポーツをする中で、生理で困ったことはありますか?
 
高島:学生時代に陸上競技をしていた時、ずっと悩んでいたのは「シーズン中の生理」ですね。
大会や合同練習など、みんなの目が触れるところでの漏れには本当に気をつかいました。
陸上競技のユニフォームって、パンツの丈がすごく短くて、生地もペラペラの薄いものが大半です。しかも私のユニフォームカラーは白や蛍光の黄緑色でしたので、漏れていないか怖かったですね。
 
髙橋:どうしてユニフォームって、汚れたら目立つ色が多いんだろうっていつも思います。漏れないように工夫などされていましたか?
 
高島:練習では、漏れても目立たないように黒いスパッツを穿けましたが、競技会ではユニフォームを着ないといけないので憂鬱でした。
量が多い日は、多い日用のナプキンとタンポンを使って、漏れないように何度も取り替えていましたね。時間はかかるし、競技に集中もできない…でも、そうするしかなかったです。
生理痛がとてもひどくて、量も多くて…漏れる不安と身体の不調が重なって本当に辛かったです。
 
髙橋:それは大変でしたね。高校生や大学生の時に生理の悩みについて、顧問の先生に相談したことはありますか?
 
高島:すごく親密に話ができる先生だったので、生理痛がひどいというのは話したことはあります。でも男性でしたし、自分も思春期で漏れることが不安という悩みまでは話せなかったです。
 
髙橋:思春期の女子が生理について口に出すのは簡単ではないですよね。男性だったらなおさら。大人になってから、スポーツする上で、生理にまつわる悩みはありますか?
 
高島:ランニング中に一番嫌なのがナプキンのズレです。昔に比べたら、ナプキンの厚みや肌あたりは進化していますが、2〜3時間走っているとどうしてもズレてきます。羽根つきや、粘着力が強いスポーツ用のナプキンも試してみましたが、それでもダメでした。ランニングってずっと同じ動作を繰り返しているからか、ショーツの股部分で前や後ろにズレるんです。
 
髙橋:Bé-A〈ベア〉が始まって4年間、たくさんの方にお話を伺ってきましたが、前後にズレるケースは初めてです。でも、確かに走っているとなりそうですね。漏れることもありましたか?
 
高島:そうですね。よくあるのが汗でズレて、一番ガードしなきゃいけない部分にナプキンの端しかない状態になって、ウェアを汚してしまうことも。羽根つきナプキンも、羽根同士はくっついているのに、汗で粘着力が落ちて肝心のショーツには固定できずズレてしまうことも多々ありました。
きっと私みたいに悩んでいる人もいるんじゃないかなと思います。
 
髙橋:マラソンランナーの方とお話したのが初めてなので、本当に勉強になります。
 

登山中やマラソンのレース中は、
できればトイレに行きたくない

高島:山に行く時に難しく感じるのはトイレのタイミングですね。特に男性がいるグループで登る時は気を使います。トイレのポイントがいくつかある中で行動を計画しますが、尿意は突然もよおすこともありますからね。
 
髙橋:それは「トイレ行きたい!」って言い出しにくい…。行きたくてもがまんしてしまいますね。トイレには、皆さん何時間おきに行かれるものですか?
 
高島:まず、水洗トイレがある山自体少なくて、トイレがない山では山道から外れて用を足します。登山コースにもよりますが、6時間かかるコースなら、2時間位で途中休憩する感じ。男性は、登っている途中でもすっと抜けて用を足せますが、女性は休憩のタイミングでトイレに行くことが多いと思います。更に、そこで生理用品を取り替えるとなると、時間も限られる中で難しいこともあります。
 
髙橋:トイレに行っている間に休憩時間が終わってしまいそう。登山に生理が重なると本当に大変ですね。
 
高島:山に行く時はナプキンを変えられるタイミングが少ないことを想定して、夜用のナプキンを使いながら、長時間耐えられるようにしていました。
また、使用済みの生理用品は持ち帰るので、ニオイが出にくい袋を用意するなど、色々気をつかいますよね。
 
髙橋:生理の日にトイレに行けないかもしれないって、相当不安ですね。マラソン大会も同じように長時間ですよね。トイレはどうされていますか?
 
高島:日本の大会は運営がしっかりされていて、コース上のトイレの数は確保されています。42.195kmの中に20〜30箇所くらいはあって、いつでも行けるようにはなっています。
 
髙橋:そんなに多く!?仮設トイレが設置されているということですか?
 
高島:はい。ただ、参加している人数も多いので並びますし、トイレは大体が男女共用です。
レース中に生理用品を交換するタイミングはすごく焦りますね。タイムも気になるし、後ろの人も待っていますから。
たくさん汗をかいているので、ウェアやタイツを脱ぐのがめちゃくちゃ大変で、その次にショーツを脱いで汗まみれの生理用品を取り替えて…。
 
髙橋:タイムが気になりながら、汗だくの状態で狭い仮設トイレでの交換…想像しただけでも大変。生理用品はポケットに入れて走るのですか?
 
高島:小さなポシェットなどに入れて走っています。仮設トイレに入ったら、まず持ち物を置くところを探し、使用済み生理用品を捨てるところがない場合は、ポシェットに入れて走ります。トイレに人が並んでいることもあるので、尿意がなければ、出来る限りトイレには行かないようにしてしまいますね。
 

「重なったらしない」という選択肢から、
「これがあれば大丈夫」と前向きな気持ちに

髙橋:ランニングや登山を通して、生理による不便さをたくさん体験してこられた中で、サニタリーアイテムを生理用ナプキン以外のものに変えてみようという選択肢はなかったですか?
 
高島:ランニングの時にズレるという不快感はあったものの、ナプキン以上に手軽なものって他にないと思っていました。最近は色々出てきていますが、経血カップは手が汚れるし、吸水ショーツも存在は知ってはいましたが、ショーツで一日の量を吸水できる訳がないと、勝手に信用していなかったです。ナプキンに取って代われる存在になるとは到底思えなかったし、だから使ってみたいという興味も全くなかったです。
 
髙橋:吸水ショーツは、実際に使っていただくまでが本当にハードルが高くて。初めて穿いていただいた時は、いかがでしたか?
 
高島:衝撃でした!とにかくもう世界が変わったと言っても過言ではないと思うくらい、快適でした。1日中穿き続けてもベタつかずノンストレス、穿き続けられる理由ってそこだと思います。
 
髙橋:ご自身では量が多い方だとおっしゃっていましたが、ご不安はありましたか?
 
高島:ナプキンって基本白いですよね。取り替えるときには、それが全部真っ赤になって、その印象を自分なりに数値化してしまっていて、自分の経血は500mlくらい出てるんじゃないかって思っていました。それもあって、ショーツが全部を吸水できるなんて思えなくて。冷静に考えると500mlなんて出てたらショックで倒れちゃいますよね。
 
髙橋:そうですよね。私も2日目は昼間でもタンポンと夜用のナプキンを使っていました。それでも漏れちゃうことがあって。ナプキンって吸収性ポリマーが入ってるから、吸水されると膨らんで、すごくたくさん吸ってるように見えますよね。
 
高島:でも吸水ショーツを実際に使ってみたら、なんの問題もなかった。
一番初めは漏れが怖すぎて休みの日に使ってみましたが、全く漏れなくてびっくりしました。
 
髙橋:実際ランニングや登山の時にもお役に立てていますか?
 
高島:“ズレる”という一番のストレスから解放され、生理の時はランニングを「しない」から、「やろう」という気持ちに変わりました。どんな時でも、吸水ショーツがあれば大丈夫って、前向きな気持ちになれましたね。
 
髙橋:生理によって予定を決めることもあったのでしょうか?
 
高島:私は大人になってからは生理の周期が安定しているので、生理日を計算しながらマラソン大会に申し込んでいました。
重なったことはないのですが、もしリズムが乱れて大会の日に生理が重なったら…といつも不安を抱えていました。
登山にしても、生理の時は「行かない」が、「行ってもいいかな」と思えるようになりました。
どんな予定でも生理が重なっても怖くない!って思えたのは、すごいことです。
 
髙橋:最後に吸水ショーツをまだ試したことがない方へ、何か一言お願いします。
 
高島:ぜひ、騙されたと思って一度試してみてください。私は世界が180°変わりました。
日常はもちろん!!ランニングや登山だけではなく、全てのスポーツのシーンで悩まれている方がいたらぜひ使っていただきたいです。ストレスから解放され、憂鬱だった気持ちが嘘のように変わります。
ゴミを出さないという面でもサスティナブルな吸水ショーツを、今後は登山を楽しむ女性にどう広めていくか考えているところです。
 
髙橋:お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。女性アスリートにとって、生理はパフォーマンスを左右する悩みの種。少しでもそのストレスや不便さが軽減されて、存分に力が発揮できますようにと願っています。
 
 
アートスポーツ本店
https://www.ici-sports.com/art_sports/shop/odbox/
JR御徒町南口改札を出て徒歩1分、パンダ広場前にある当店ではランニング・トレイルランニング・フィットネス・ヨガ・アウトドア&キャンプを得意とするスポーツ・アウトドア専門店です。
Be-Aの商品は、ベア シグネチャーショーツ 04(ブラック/ベージュ)、ベア エアライト ショーツ(ブラック/ネイビー)をお取り扱いいただいております。そのほかのカラーもお取り寄せ可能です。