2024年10月15日(火)、桜美林大学ビジネスマネジメント学群 特別講義Ⅴ(ジェンダー・企業戦略論)を受講する男女47名に向け、特別講義を実施いたしました。 講義タイトルは「生理ビジネス5年目!ジェンダー課題を乗り越える。女性企業家によるアンコンシャスバイアス大解剖」。フェムテック企業の女性リーダーとして、これから社会に出て活躍する学生たちに、女性特有の健康に関する基礎知識やビジネス社会におけるジェンダー課題、また、女性特有の健康課題解決のためにBe-A Japanが考えるビジネス戦略についてお話しました。後半では、ジェンダー課題にまつわるテーマでディスカッションの時間も設け、学生同士で話し合い、発表する場を設けました。
■セミナーの様子 本セミナーは4部構成で実施。 第1部は、ライフステージごとに直面する女性の健康課題について。 ここでは、生理のメカニズムや生理による体調の変化、また閉経前後5年の10年間を指す更年期について説明。 「例えば、先生や上司が男性の場合、女性の生徒や部下のパフォーマンスが落ちる時に、それが生理やPMSによるものだという可能性を考えられないことがある。女性が辛い思いをすることもあり、男性にとってもストレスに感じられる」と話した上で、男性への教育の必要性にも触れました
第2部は、女性特有の健康課題から生まれる社会問題とアンコンシャスバイアスについて。 『女性社員が仕事でとても良い成果を出しました。社長から表彰され、全社員の前で「よくやったね。素晴らしい」と称賛されました。』 これを聞いて、社長は男性・女性どちらをイメージしましたか? という問いからスタートしたところ、「女性」と答えた学生は一人もいませんでした。 アンコンシャスバイアス(無意識な偏見)の中でも、ジェンダーバイアスは、政治・経済ともにトップ層を男性が長らく担ってきた日本の社会構造が大きな要因となっていること。例えば「リーダは男性」「女性は男性をサポートするもの」というような偏見が、女性たちを窮屈にさせ、その悪影響が実際に社会に反映されている、というお話をしました。
第3部では、女性特有の健康課題と向き合うBe-A Japanのビジネス戦略について。 これまでBe-A Japanは、小林製薬/サラサーティとのコラボ商品の展開やエアラインZIPAIR Tokyoとの業務提携など、様々な企業と取り組みをしてきましたが、なぜ他の企業と一緒にビジネスを行うのか。 この夏、発売したフィッツコーポレーションと消臭アロマミストの共同開発をおこなったことを例に、その経緯や目的を説明しました。
一つの課題に対して各々が取り組むよりも、得意分野を生かしながら手を取り合うことは、より良い商品開発が叶うメリットがあります。さらには、認知を拡大していく力も拡大できることから、リーチできる人々の数も増え、社会に与えるインパクトが大きくなるもの。 私たちは、広がりを見せている日本のフェムテック市場において、各企業の熱意と創意工夫が必要なのは当然のこと、企業間が連携していくことでさらにマーケットの成長を促すことが求められると考えます。
最後に、第4部ではディスカッション。3つのテーマをグループに分かれて話し合い、各グループの代表者に発表してもらいました。 【これって男性に対してのアンコンシャスバイアス?と思うこと】のテーマに対しては、「運転手は男性の職業と思われがち」「性暴力に関しては男性が加害者で女性が被害者と思われがち」「管理職につくのは男性のイメージ」などの意見や、「男性の方が稼いで家庭を支えなくてはいけないと思われている。デート代に関しても同様。」「危ないことなど力仕事も男性がやらなくてはいけないという雰囲気がある」と言う意見上がりました。 中村からは「“平等”と“公平”について考える必要がある。例えば平等に同じ荷物をもつとしたら、筋力の弱い女性にとっては負荷が大きいことも。全てのことが半分ずつ=公平ではない。皆が得意を活かしながら、負担感が同じ程度になるように、力を合わせて生きやすい世の中にすることが大事なのでは。」とお伝えしました。
■参加者の感想 アンケートより一部抜粋
・生理について、女性にとっては当たり前のことだとしても、男性にとっては未知のものなので一方的に何故分からないのだという感情をもってはいけないという話が印象に残りました。(女子学生)
・自分は偏見がないと思い込んでいましたが、「女性の社員が社長に褒められた」という文章を読んで社長は男性だと考えてしまったことに驚きました。男女平等を主張しているけど、まだ世間はアンコンシャスバイアスで溢れているなと思いました。(女子学生)
・自分が女子だったらその商品(吸水ショーツ)を使ってみたいと思ったし、周りのたとえば母とか彼女ができたらあげたいとも思うくらい、女子は生理で大変だし男は感じられないくらい大変だろうと思い、印象にも残りました。(男子学生)
・生理に対し、悩みやストレスを感じる人が8割ほどいるのを知り、多くのことが便利になった今でもたくさんそのような人がいることを知りました。また、無意識に偏見を持っていることについて改めて考えてみると、たくさんあり、その偏見も自分の中で変えていくべきだと思いました。(女子学生)
Bé-A〈ベア〉が目指すのは、性別に関わらず誰もが生きやすい社会ですが、まだ課題が多いのが現状です。学生とともに考える素敵な機会に感謝し、若者と共に次世代社会を作っていきたいと胸が熱くなりました。
桜美林大学の皆さま、ありがとうございました!