Bé-A〈ベア〉は、11月10日に、帝京科学大学 人間教育学部 学校教育学科にて、生理についての協業授業を実施しました。保健体育の教師を目指す男子生徒28名、女子生徒9名の合計37名がご参加くださいました。
教員・指導者が生理の十分な知識を得づらい現状
大学スポーツ協会(2022)の報告によると、女性競技者が生理に関する情報を得る相手は「教員」(56.7%)が最多であることがわかりました。しかしながら、保健体育の教員養成課程の中で、生理は保健分野の一つとして触れるのみにとどまり、体育・ スポーツ指導において、個々の女性特有のコンディションの変動を理解し配慮することが求められる一方、教員・指導者が十分な知識を得づらい状況です。
競技者に限らず、子どもたち皆が、生理を理由に不自由さや不安を感じることなく、楽しんで学校生活や体育・スポーツに取り組むために、教員・指導者一人ひとりが生理に対しての正しい知識と理解を持ち合わせていることが望ましいと考えます。
子どもたちが口を揃えて不安を感じる「学校の生理」
「生理で体調がすぐれないけれど、体育の授業を欠席したいと言い出しにくい」 「プールの授業を欠席した時、友だちの目が気になる…」 「約5-10分しかない授業の合間に、体操着への着替えに加えて、生理用品を取り替えなくてはならないので、いつも大急ぎ。時間を気にしながらの行動は毎回不安ばかり」
学校生活における生理の問題は、身体的なものだけでなく、精神面でも影響を及ぼしています。 それらを踏まえて実施した授業のテーマは「学校教育における生理とスポーツを考える」。 授業内容は以下3部構成で実施しました。
◆生理の基礎知識を身につけ寄り添える先生に 女性の体のメカニズムや、生理の基礎知識、生理期間を含めた1ヶ月を通して身体と心に起こる変化について学びました。 また、教室や部活動などその場での唯一の大人である「先生」のひと言や対応に、救われることも傷つくこともあるという点で生理を考えました。
◆生理用品ってどんなものがある?~女性が毎月使う生理用品事情~ ナプキンやタンポンなどに実際に触れ、使い方、捨て方などを学びました。
◆シチュエーション別ワークショップ 指導者(教師)という立場で、いつか直面するであろうシチュエーションを3つ用意。これらの生徒になんと声をかける?どう対応する?と、数名ずつの班にわかれてディスカッションを行いました。
・体育の授業中に突然生理になってしまったという生徒 ・「生理なので授業を休みたい」と頻繁に申し出る生徒 ・生理でプールを休んでいる女子生徒に対し、冷やかす男子生徒
未来の教師たちが今こうして生理について学び、将来思いやりをもって子どもに接することができれば、きっと子どもたちの『学校生活における生理』の不安や悩みが解消されていくだろうと感じられる、Be-A Japanとしても実りのある時間となりました。
■参加者からのお声
「生理が起こると、様々な症状が起きるという事が印象に残りました」
「生理が小学校高学年から来ることに大変驚いた。約40年間生理と付き合うのは大変だなと思うと同時に、生理について何も知らないなと感じた。」
「男性がいかに生理について浅はかだったかを知りました。大人になって生理の女性に寄り添えるように知識をつけたい。」
「男女共習で行う体育の授業では(生理中の子に対して)授業中にどのように対応していくか(もっと勉強したい)、また、日頃から生理についての教育が必要だと感じた。」
成長期の子どもたちは、心も身体も大きく変化します。安心して過ごせる知識や環境を整えられるよう、その一助となるために、私たちは活動を続けます。 未来の教育現場において生理がポジティブなものであることを心より願っています。