Bé-A Journal

「尿もれ」はタブー?解決策を手に、ポジティブな毎日を

「尿もれ」経験者、その半数は20代・30代?!

一般的には、40歳以上の女性のうち約4割が「尿もれ」を経験している*といわれています。
尿もれというと、更年期以降の女性や、高齢者の問題だと思われがちかもしれません。
ですが、若い世代でも経験する人は少なくないという事実を知っていますか?
 
実際にBé-A〈ベア〉に寄せられたお声には、20代の若い方からの尿もれの体験談やお悩みが数多くありました。“40歳以上の4割”よりもはるかに多いような…そこでBé-A〈ベア〉は、尿もれの実態を調査すべく、アンケートを実施しました。
 
10〜60代の女性192名に調査したところ、なんと75%もの人が「尿もれを経験したことがある」と回答。さらにその半数が「20代・30代で初めての尿もれを経験」していたのです。尿もれは、年齢にかかわらず、あらゆる世代で起こるものといえそうです。
これほどまでに多くの女性が経験しているものの、尿もれは“他人に知られたくない恥ずかしいこと”として、話題にすることが避けられる傾向にあるのではないでしょうか。密かに悩むからこそ、その理解が広まらず、対処方法や解決策になかなかたどり着けないという問題も。「尿もれ」は、長くタブーとされてきた「生理」以上にタブー視されているかもしれません。
*一般社団法人 日本泌尿器科学会より

なぜ尿もれするの?その理由と種類とは

「尿もれ」のタイミングとして多く聞かれるのは、咳やくしゃみをした時。お腹に力(腹圧)が入るため、膀胱に溜まっている尿がもれやすくなり、「あっ!」という間もなく出てしまいます。また、大笑いしている時やスポーツしている時も同様です。
 
このように、お腹に力が入るときに起きる尿もれを「腹圧性尿失禁」といい、女性の尿もれで最も多いものです。一番の原因は、尿道のある「骨盤底筋群」のゆるみ。骨盤の下には、膀胱や子宮など骨盤内の臓器を下から支えるハンモック状の骨盤底筋群があります。
 
デスクワークが中心で座りっぱなしが多い人や運動不足の人など骨盤底筋群をあまり使わない場合や、妊娠・出産を経て負担が大きかった場合などが例としてあげられます。若い世代に多いのはこのケース。
Bé-A〈ベア〉のアンケート調査によると、尿もれ経験者の4人に1人が「コロナ禍を経て尿もれの頻度が増えた」と答えました。リモートワークや外出制限による運動量の低下などの影響が考えられるかもしれません。
 
また、更年期以降は、女性ホルモンの低下によって膣や外陰部の粘膜が薄くなり萎縮しやすくなります。この影響を受けて骨盤底筋群がゆるみやすくなるのです。
加えて、肥満や便秘がある場合、膀胱への腹圧が高まることで、さらに尿もれを助長することに。
 
次に多いのが「切迫性尿失禁」。突然強い尿意に襲われ、トイレに間に合わずもれてしまうものです。例えば、水の音を聞いた時や冷たい水を触った時に条件反射で膀胱が収縮してしまい、尿意をもよおす場合があります。夜中に何度もトイレに行きたくなるなどもこれにあたります。
神経系の異常や生活習慣病などが関係すると考えられますが、原因が不明なものも多いです。
また、この両方がある「混合性尿失禁」というタイプもあります。
 
いずれにしても、尿もれは、自分の意思で食い止められないもの。日常の動作によって時や場所を選ばず急に引き起こされるため、コンプレックスに感じたり、生活の質を著しく下げてしまうものともいえるでしょう。

「快適さ」を追求して毎日をポジティブに

尿もれは、たとえ軽度であっても、「下着が濡れて洋服まで浸みてきたらどうしよう…」「周りにニオイを気づかれていないか…」といった心配から外出を控えるなど、日常生活に大きな支障をきたします。
 
近年では、慢性的な運動不足で十分に骨盤底筋が発達していない小・中学生も多く、10代で尿もれに悩むケースもあるそう。子どもの尿もれは、勉強に集中できない、スポーツに打ち込むことができないなど、ほうっておくと深刻な問題にもなりかねません。
 
大人も子どもも、まずは、骨盤底筋群を鍛えることから始めてみてはいかがでしょう。トレーニングにはさまざまな種類がありますが、「トイレで数秒尿意を我慢する」といった簡単なものなら今すぐ実践できます。
 
併せてとり入れたいのが、ケア用品。尿もれパッドを購入するのが恥ずかしいからと生理用ナプキンで対応しているという声も聞かれます。尿と経血では液体の成分や粘度、さらにはニオイの種類まで異なります。生理用ナプキンは、尿のようにサラサラとした液体をスピーディーに抱え込むことができず、表面への尿の逆戻りがあったり、それによってかぶれたりと問題が。
 
だからこそ、尿をしっかりと吸収し、その特有のニオイに対応する機能を持つアイテムを使うことが大切です。例えば、尿もれ対応の吸水ショーツなら、忙しくて取り替える時間がない人にも安心です。からだの状態を詳しく知りたいときは、病院に受診することも良いでしょう。
 
アメリカでは、尿もれ専用のタンポン(膣に入れて尿道を圧迫するもの)なども販売されるなど、女性のニーズに合わせたテクノロジーも進化しています。
自分のライフスタイルや使い勝手に合ったアイテムや解決策が見つけられると、日々の生活がぐんと快適になるでしょう。「尿もれが心配だから…」を理由に行動を制限したり後ろ向きな気持ちになることなく、多くの女性たちが豊かな日々を過ごせることを願っています。
 

医療監修 宗田聡医師(医学博士・産婦人科医・産業医)