冷えは、静かに積み重なる。——大人のからだと、温度の話
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ぐっと気温が冷え込む12月。
朝、布団から出るのを少しおっくうに感じたり、
外に出た瞬間、思わずブルブル…からだをすくめてしまったり。
この時期になると、やはり気になるのが「冷え」です。
冷えとは、強く訴えかけてくる不調ではありません。
手足が少し冷たい、お腹・腰まわりがひんやりする、夜になると足先が冷える。
そんな感覚も、忙しい毎日の中では、気づかないまま過ぎていくことがあります。
けれどその冷えは、ある日突然始まるものではなく、
日々の生活の中で、静かに、少しずつ積み重なっていくもの。
気づいたときには、「冷えている状態」が当たり前になっている──
そういう方も多いのではないでしょうか。

「温める」より「冷やさない」という視点を
冷え対策というと、「温める」ことに目が向きがちです。
温かい飲み物を選ぶ、湯船に浸かる、体を動かす。
どれも心地よい習慣で、からだを温めるだけでなく、こころもじんわりほぐしてくれることでしょう。
ただ、それでも「なんとなく冷える」と感じることがあるなら、
少し視点を変えてみてもいいのかもしれません。
それが、「冷やさない」という考え方。
からだは常に熱を生み、同時に外へ逃がしています。
とくに、肌に一番近く、長時間身につけているものは、
体温の保たれ方に少なからず影響を与えています。
どれだけ温める時間をつくっても、日常の中で冷えやすい状態が続いていれば、
また元に戻ってしまいがちです。

頑張りすぎない。自然に続けられる選択を。
なんとかしたいと思っていても、忙しい日常の中で特別な時間が必要だったり、
我慢が伴ったりすると、どんなに良いとわかっていても、習慣にはなりにくいもの。
忙しい日々の中で、「ちゃんとやらなきゃ」と思うほど、かえって遠ざかってしまうこともあります。
大人のからだに必要なのは、頑張るケアより、自然に続く選択。
無理なく続くケアとは、意識しなくても、すでに選んでいる状態。
日常の動きを邪魔せず、「何かしている感」すらないことが、実はとても大切です。

冷えにくい選択を、ひとつずつ
冷えは、急に変えようとしなくていい。
一度に全部を見直す必要もありません。
まずは、冷えにくい選択をひとつ増やしてみる。
それだけで、からだの感じ方は静かに変わっていきます。
毎日を少しだけ、冷えにくい前提で過ごしてみる。
我慢する前に、整えておく。
その積み重ねが、冬のからだをやさしく支えてくれます。
冷えと向き合うことは、
自分のからだに耳を澄ますこと。
寒い季節だからこそ、
今の自分にちょうどいい「温度」を大切にしていきたいものです。