Bé-A Journal

生理と更年期の関係。新しいライフステージを自分らしく

誰もが経験する「更年期」

女性の一生は主に、思春期(10~18歳頃)、性成熟期(18~45歳頃)、 更年期(45~55歳頃)、 更年期以降(55歳頃~)という4つのライフステージに分けることができます。

年齢を重ねていく中で女性が必ず向き合うことになる更年期。
同じ年代の女性以外にはなかなか理解してもらえないつらい悩みも多くあります。
不調が重なるネガティブなイメージの強い更年期ですが、10年ほども続く大切な期間だからこそ、体の変化をよく知って、自分らしく毎日を過ごしたいものです。

そんな更年期は、心身ともに大きく変化するステージ。

女性の健康を大きく左右する「女性ホルモン(エストロゲン)」は、脳からの指令によって卵巣から分泌されています。
更年期を迎えると卵巣機能が低下するために、脳からの指令は出ているにもかかわらず、ホルモンが十分に分泌されないという現象が起きるのです。こうなると、脳はさらに「ホルモンを分泌せよ」と指令を出すのですが、やはり分泌はされない…これを繰り返すうちに脳が混乱し、身体にさまざまな変化をもたらします。

脳の混乱は、ホルモンバランスや自律神経系に乱れを起こし、ほてり、発汗、冷え、めまい、不眠、イライラ、うつなどの不調につながります。これが、いわゆる更年期障害です。

では生理はどのように変化をしていくのでしょうか。

更年期の生理はこう変化する

更年期は「閉経の前後5年間」と定義されています。
一般的に日本人の閉経が平均50歳前後と言われているので、40代半ば~50代半ばの10年間が更年期に当たります。

更年期の生理の変化について、その時を迎えるまで知る機会は多くありません。
更年期に差しかかったサインとして、一般的に生理周期が短くなることから始まります。いつもより早く生理が始まった、そんなサインを見逃さず体調を観察しましょう。

さらに卵巣機能が低下していくと、少量の出血が長く続くという現象が起こってきます。
長い方だと、2週間~1か月も出血が続く場合も。
このような生理は、排卵のない「機能性出血」であることが多く、閉経に向かう過程でもあります。

そのほか、生理の量が減る、逆に量が極端に増えて貧血状態になる、といったさまざまな生理不順が現れます。
やがて、脳が「女性ホルモンを分泌するように」と指令を送っても卵巣が反応しなくなり、生理が起こらなくなります。
そして最終の生理開始日から1年経っても生理がこない場合、閉経と診断されます。

これはあくまで一般的な流れであり、すべての女性がこの順序で進むわけではありません。
また、更年期の生理不順は加齢とともに誰にでも起こることであり、症状も人それぞれです。
ですから、服薬だけでなく、運動や食事、生活改善などさまざまな方法で解決へ導く治療が行われます。
誰でも通る道・・・と我慢するだけでは解決しないこともあるので、気になることがある場合には、早めに婦人科の門を叩きましょう。

自分らしく生きていくために

更年期を迎えた女性の約8割がさまざまな心身の変化や不調を自覚しているといわれていますが、現れる症状やその程度は人により千差万別です。
頭痛や不安感、イライラ感などさまざまな悩みを抱え、近しい人にすらなかなか理解されない苦しみもあるかもしれません。

更年期には、無理のない程度に毎日ゆっくり歩くなど有酸素運動をするとよいとされています。どんな場所にいても実践できるウォーキングは、身体だけでなく、心のエイジングケアとしても効果的。体調の良くない中、歩み出しは重い腰を上げるのにも一苦労ですが、まずは天気の良い日に気分転換のつもりで取り入れてみるのも良いでしょう。

また、食事面にも気を付けることで、ホルモンバランスを整える効果が期待できます。
積極的に取り入れたい栄養素は、大豆や納豆、豆腐に含まれる「大豆イソフラボン」。そして、基本のビタミン、ミネラル、たんぱく質などの栄養素を満べんなく摂れるように、時にサプリメントやプロテインドリンクなども上手に活用しながら補いましょう。

人生100年時代といわれる現代。更年期は人生の中間地点です。
仕事に穴を開けられない立場にある人、まだまだ子育てに忙しい人、介護や家庭のことで目一杯の人、自分のことだけを考えて過ごせば良いとはなかなかいかない時でもあります。
ですが、ここまで全力で生きてきた分、更年期というステージは、自分の心と身体をいたわり、人生にひと息入れることを求めても良い時間かもしれません。
心身にゆとりが持てるように暮らしを見直し、そこからの半生を快適に満喫できるように、「更年期」を「自分をいたわる10年」にしてみましょう。

また、つらい時には自分ひとりだけで抱え込まず、家族や友人など周りの人に相談してみてください。
更年期の重症化に関係するのがストレスといわれているので、まず何よりも大切なのはストレスを溜めないこと。
悩みは口に出して吐き出すほうが心も軽くなります。そして、あなたが大切に想う人は、同じようにあなたを大切に想い、考えてくれるはずです。

更年期は自分を大切にする時間に。
上手に付き合い、新しい人生のステージをゆっくりと、自分らしく楽しめることを願っています。