100人いれば100通りの生理がある
一人ひとりの体やライフスタイルが違うように、「生理」も人それぞれ。 「Bé-A〈ベア〉と私たち」では、社会で活躍する女性たちに、生理との向き合い方をインタビューします。 これまで見えなかった、自分以外の生理への理解が深まることは、互いに思いやる優しい社会への一歩につながるでしょう。 自分の生理と向き合うヒントにもなるはず。 100人いれば100通りの生理を知って、 誰もが自由や望みを失わず、思いやりをもって豊かに生きていくために。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「Bé-A〈ベア〉と私たち」第二回目は、看護師として勤務されている富岡加奈江さんにBe-A Japan代表 髙橋がインタビュアーとなってお話を伺いました。富岡さんは新卒で大学病院に勤務された後、総合病院を経て、現在は大学病院で勤務されています。
髙橋:この度はインタビューをお受けくださりありがとうございます!早速ですが、病院で働く中での生理との付き合い方を教えてください。 富岡:看護師になって19年目、現在は集中治療室を担当しています。生理の時は、お手洗いの回数を増やさなければいけないですよね。でも、やらなきゃいけないことに追われる中で、なかなか自分のペースを保つのが難しいし、それが普通だと思ってきました。 髙橋:そうですよね。普段からお手洗いに行く回数も少ないんですか? 富岡:そんなに控えてるつもりはないですけど我慢しちゃいますね。生理じゃない時も、朝8時の勤務開始前に行って、昼休憩で行って、夕方仕事終わってから行く程度です。 髙橋:1日にたった3回?それって水分を摂らないようにされてるんですか?看護師の方は膀胱炎が職業病だと聞いたこともあります。 富岡:行きたい時に行くというより、休憩のタイミングで行く体になっている、っていうまさに職業病ですね。 髙橋:命に関わるご職業なので、自分のタイミングで行きにくいですよね。 富岡:そうですね。5年ほど勤務した救急救命センターの外来の時が一番難しかったです。救急車は突然やってきますし、患者さんが重症の場合、2〜3時間拘束されることもあって。 髙橋:生理の量が多いと漏れの不安もあるでしょうし大変ですね。あとは、看護師さんといえば白衣ですよね。白以外の制服にしたいっていうお声はないんですか? 富岡:あります!漏れないようにとやっぱり気を使いますし、生理じゃなくても下着のラインが出るのが嫌で。そういう声が出たのか、今の病棟では濃色のパンツになったのでうれしいです。 髙橋:そうですよね、生理の時に白のパンツってなかなか選ばないですよね。上はともかく下がなんで白じゃなきゃいけないのかと思います。 富岡:個人的には白じゃなきゃいけない意味はないと思います。でも、制服なので着なきゃいけない、それは看護師ならではですよね。生理や体調でスカート履きたくない時に履かなきゃいけないんです。
髙橋:看護師の方々は「夜勤」があるのが特徴的なお仕事かなと思います。想像するだけでも本当に大変だと思うんですが、週に何回くらいあるんでしょう? 富岡:頻度はバラバラですね。部署によっても夜勤の回数は違っていて、集中治療室は多いです。時間帯も病院によってそれぞれで、前にいた病院では16時間勤務だったので、昼3時から朝までとか。 髙橋:そんなに長く!それで生理の時を過ごすのは辛いですね。 富岡:辛いです。それでも割と人数はいる方だと思いますが、50床を3人の夜勤で担当するんですよ。1人抜けると穴が大きくて、トイレに行くとも言いづらいんです。生活が不規則になって生理不順になる同僚も沢山いました。 髙橋:想像以上です…。夜勤の16時間勤務の時で何時間くらい仮眠できるんですか? 富岡:休憩室のソファーで2時間交代で寝ます。2時間フルで寝たい人もいるし、お腹が空くから食べてから寝たい人もいるし、使い方は人それぞれです。 集中治療室だと、仮眠しても途中で患者さんが急変したら呼ばれてすぐ行かなきゃいけないんです。生理の時は、長めの夜用ナプキンを日常使いしたり。どうしてもたくさん吸収するのを選ぶ傾向になって、薄いものは、私はあまり選ばないですね。 髙橋:気軽に交換できるわけじゃないから、必然的にそうなりますよね。休憩室は個室なんですか?みんなと一緒? 富岡:病棟によって、部屋に1つあるソファーに寝る場合もあるし、2つ並んだソファーに先輩と一緒に寝ることもあります。1人になりたいときは違う部屋に行って寝ていたりしました。 髙橋:本当に大変なお仕事ですね。以前、別の方とお話しした機会があるんですが、その方は仮眠ベッドがあったものの全員同じベッドで真っ白なシーツで寝ていて。シーツを変えることがなかったので、そこに経血が漏れちゃうと洗わなければいけないっていうのがものすごいストレスで、夜勤の時にゆっくり寝られたことがないっておっしゃってました。 富岡:すごくわかります。でも寝るしかないんですよね。枕もなくて病院のバスタオルやクッションとかを使って。仰向けでも伝い漏れが気になるし、横向きだと横漏れが気になるし。多くのナースたちが、やらなきゃいけないと思って頑張ってるんだと思います。
髙橋:生理が辛い時、例えば生理休暇のようなお休みを取ることはあるんですか? 富岡:聞いたことがないですね。休めない雰囲気はないんですけど、体調不良で休むことがほぼないです。コロナ禍で状況は変わりましたが、シフトを組んでいて休むには数人の勤務を動かすことになるので、以前は少々熱が出ても解熱剤飲んで仕事してました。ギックリ腰になった時も仕事をしましたね。 髙橋:患者になる私たちは、その苦労によって助けられているんですね。本当にありがたいです。サニタリー期間の不便さなどは、Bé-Aを使っていただいて何か変わりましたか? 富岡:楽ですよね、やっぱり。ホールド力もあるし安心感もあります。温さもあるからか痛みが楽なのを感じます。肌あたりがよくてかぶれを感じないのもストレスがないなと思います。 髙橋:病院って冷える印象がありますよね。 富岡:特に集中治療室はスタッフもよく動くし、病状的に発熱する患者さんが多いので比較的部屋が寒いんですよ。外部からの温度だけで冷えるものではないですが、体が熱くなる感覚がある場合には扇風機をあえて当てるのも看護ケアの1つなんです。私は元々冷え性なので、いつもカーディガンを着ています。Bé-A〈ベア〉が温かいのは嬉しいです。 髙橋:最後に、吸水ショーツを試したことない方に、一言あれば! 富岡:1回使ってみると、ちょっと価値観変わるんじゃないかなって思います。次のお手洗いはいつのタイミングで行こうとか、ポケットに入れるとか、すごく計画的に仕事と合わせて考えなきゃいけなかったものがなくなって、気持ち的にも楽になりました。 自由に選べる選択肢を多くの女性に持ってほしいです。お手洗いにどうやってポーチを持っていこうとか考える、中高生とか若い方にもたくさん使ってほしいと思います。 髙橋:お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。生理中の病院でのお仕事は、想像よりもずっとハードワークだと感じました。私たちの命や健康を守るために、ご自身の体調よりも患者の看護を優先に日々過ごしてくださる看護師の皆さまに、改めて感謝いたします。そして、どうか皆さまのお身体も大事にしていただきたいなと切に思いました。サニタリー期間のサポートアイテムとして、Bé-A〈ベア〉をお役立ていただけましたら大変嬉しいです。